鎮守府

鎮守府	ちんじゅふ。和名は「エモシノマモリノツカサ」と読む。
位置	陸奥国宮城郡多賀城。のちに胆沢郡胆沢城にうつる。
職掌	東北の蝦夷防禦のために設置された軍事組織。
管轄下官庁
備考	７２２年に「陸奥鎮所」から、７３７年ころに鎮守府として整備された模様。蝦夷平定後は有名無実の官となり、陸奥守・按察使などが兼任した。
職　員
鎮守府大将軍	建武時代、北畠顕家が鎮守府将軍に任じられたときに特別に「大」の字を賜った。
鎮守府将軍	鎮守府の長官。定員は一人。相当官位は従五位下。「鎮守将軍」とも「みちの国の将軍」などとも称した。
鎮守府副将軍	鎮守府の次官。定員は一人だが臨時職に等しく、７８０年以後ころから任じられていない。
鎮守府軍監	ｸﾞﾝｹﾝ。鎮守府の判官。相当官位は正七位下。
鎮守府軍曹	ｸﾞﾝｿｳ。鎮守府の主典。相当官位は従八位上。
府掌	鎮守府の事務官。定員は一人だが、のち一人増員。８４３年に設置。

鎮守府陰陽師	鎮守府専属の陰陽師。８８２年に設置。
鎮守府医師	鎮守府専属の医師。定員は一人。８１２年に設置。
鎮守府弩師	鎮守府専属の武器職工官。定員は一人。８１２年に設置。
鎮守府傔仗	ｹﾝｼﾞｮｳ。将軍の随従官。定員は三人であったが、８１２年に一人減員。
鎮兵	ﾁﾝﾍﾟｲ。鎮守府兵。兵員数は千人余ほどいた模様だが、解散徴兵が相次ぎ、正確な兵員数は増減あり。
健士	ｹﾝｼ。鎮守府兵。８１５年に設置。勲八等の者から千五百人、勲九等の者から五百人召集された。五百人を一番として一ヶ月の交替勤務制、年間９０日の上番制をとった。別途配置として胆沢城に三百人・玉造塞に二百人配置された。のちに鎮兵と分けるために城砦修理兵の工兵化した。